薄毛はよく遺伝すると言われています。
ざっと自分の周りを見てみると、確かに父親が薄毛だと子供も薄毛になってる人が多いように思います。
しかし、絶対ではありません。
父親は完全に髪が無いのに、子供がフサフサな人を何人か知っていますし、また体毛が濃いからと言って薄毛になるとも限りません。
では、一体どういう人が薄毛になって、遺伝はどれくらい関係があるのでしょう?
今回は薄毛の遺伝について紹介したいと思います!
薄毛と遺伝について
現在、薄毛で悩む人のほとんどの原因がAGA(男性型脱毛症)と言われています。
AGAとは、通常の男性ホルモン(テストステロン)が、「5αリダクターゼ」と呼ばれる還元酵素の働きによってDHT(ジヒドロテストステロン)と言う超強力な男性ホルモンに変化し、そのDHTが毛髪の成長を止めてしまう事により薄毛になります。
なので、薄毛になるかならないかは「5αリダクターゼ」が活発に活動してDHT(ジヒドロテストステロン)が増えるか増えないかの差です。
「5αリダクターゼ」の活動が活発だと、どんどん通常の男性ホルモンが髪の成長を止めるDHT(ジヒドロテストステロン)に変わってしまうので、薄毛の進行が早くなると言うことです。
なので、薄毛になる人の特徴としては「5αリダクターゼ」の活動が活発になる遺伝子を両親から受け継いだ人はAGA型の薄毛になりやすいです。
また、体毛が濃い人は基本的に男性ホルモンが多いと言われますが、だからと言ってそれが直的な薄毛の原因になるわけではありません。
重要なのは、「5αリダクターゼ」が活発に活動して、通常の男性ホルモンを薄毛の進行を早めるDHT(ジヒドロテストステロン)に変えるかどうかが問題なのです。
なので、男性ホルモンが多く体毛が濃い人でも「5αリダクターゼ」の活動があまり無い人は薄毛にはなりにくいです。
単に男性ホルモンの量が薄毛の原因なら、体毛の薄い男性ホルモンが少ない人に薄毛は少ないはずです。
しかし現実は体毛が薄い男性ホルモンがあまり多くなさそうな人でも、薄毛で悩んでる方は大勢います。
そして、さらに薄毛になる要因が男性ホルモンの総称である「アンドロゲン」の受容体の異常です。
本来、男性ホルモンの事は「アンドロゲン」と言い、その中にテストステロンやジヒドロテストステロンがあります。
2005年にフランスのボン大学研究チームが発表した内容によると、薄毛の人とそうで無い人を比べると、明らかに薄毛の人のアンドロゲンの受容体に異常がみられたそうです。
この異常のあるアンドロゲン受容体の遺伝子こそが、薄毛になる遺伝子とも言われていて、これはX染色体のみに受け継がれる事が分かっています。
そして、男性はX染色体とY染色体で構成されています。
女性はX染色体のみです。
通常、男の子が生まれる場合は、父親からはY染色体のみを受け継ぎX染色体は母親から受け継ぎます。
なので、X染色体にあるアンドロゲン受容体の遺伝子は母親から受け継ぐことになります。
この時、母方の祖父がアンドロゲン受容体に異常があるAGAであった場合、その異常な遺伝子は孫の男性に受け継がれる事になるので、孫もAGA型の薄毛になると言う事です。
なので、父親や父方の祖父が薄毛であっても薄毛の遺伝子は基本的に受け継いではいないので、それが原因で薄毛になる訳ではありません。
重要なのは、母方の祖父がAGA型の薄毛かどうかです。
母方の祖父が薄毛である場合は、かなりの確率で薄毛になる可能性があります。
逆に、母方の祖父がフサフサの場合は薄毛になる確率がグッと下がると思います。
しかし、母方の祖父が薄毛では無いのに自分が薄毛になってきたら、それは「5αリダクターゼ」の活動が活発になってるか、生活習慣の乱れが原因だと思われます。
一番最悪なのは、母方の祖父がAGA型の薄毛で「アンドロゲン受容体」に異常があり、さらに「5αリダクターゼ」が活発に活動する遺伝子も受け継いだ時です。
その場合は、ものすごい速さで薄毛が進行して行くと思われます。
時々、20代前半くらいでかなり薄毛になってる方がいますが、そんな人は恐らく「アンドロゲン受容体」の異常と「5αリダクターゼ」の活動が活発な遺伝子の両方を受け継いでいると思います。
また、異常な抜け毛のほとんどの理由は「ヘアサイクルの乱れ」によるものなので、AGA型の場合はDHTホルモンがヘアサイクルを乱して薄毛になります。
それ以外の場合は、食事や睡眠不足・ストレスなど生活習慣の乱れによる脱毛かも知れないので、そういう生活に覚えがあればそれを改善する事で、また髪が生えてくる可能性があります。
なので、まずは自分がどちらの原因で薄毛になってるのを見極める事が大切だと思います。
AGAが原因で薄毛になっているのに、生活習慣を改善した所で根本的な「男性ホルモン」の問題を解決しない事には薄毛の進行は止まりません。
しかし、AGAでない場合は男性ホルモンよりも「ヘアサイクルの乱れ」を整える事に専念する事で、抜け毛の問題を解決できる場合が多いです。
なので、まずは自分がどっちの薄毛なのかを知る事が大事です。
自分がAGAかどうか専門的に調べる方法
正直、AGAは体の中の事なので、ちゃんと正確に自分の薄毛の原因を知るには検査をするしかありません。
専門機関に行けばAGAかどうか検査してくれますが、料金は2万円~3万円かかる場合が多くちょっと割り高です。
しかし、ちゃんと検査しないと治療に進めないので、病院に言われるまま検査して「やっぱりAGAですね」と言われて治療に入ります。
ただ、今は医療機関で調べなくても個人でAGAかどうかを知る方法があります。
それがこの「AGAドック」と言う検査キットです。
こちらの検査キットを購入して、自分の唾液を郵送で専門機関へ送ると医療機関と同じようにAGAであるかどうかの判定をしてくれます。
価格は12,960円ですが、医療機関で調べるよりもかなり安く済みますし、仮に医療機関で治療する事になっても、このデーターを持っていけば高い検査をしなくて済みます。
なので、AGAかどうかは母方の祖父が薄毛かどうかでだいたいは分かりますが、違う場合もあるのでやはりちゃんと治療をするなら、AGAかどうかを知っておく必要はあるのではないでしょうか。
そして、どのみち調べるなら高いよりも少しでも安い方法で調べる方が、浮いたお金で髪に良いサプリなども買えるのでおすすめです!
終わりに
何も知らなければ単純に父親が薄毛だと、そのまま自分も薄毛になると思いがちです。
しかし、現実はそんな単純なものでは無く、様々な要素が混ざりあって薄毛の原因となっています。
また、今はだいぶAGA治療も進化していて、しっかりした治療を受ければ症状は改善されていくようになっていますので、決して諦める必要は無いと思います。
ただ、薄毛にも色々ありますので、まずは自分の薄毛の原因が何なのかをしっかり理解する事が、治療のスタートなのではないでしょうか。